シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/09/21

リンクロッドLink rod


リンクロッドのチェック。
ナット径が10φと12φなので79年頃まで使われた、純正パーツナンバーではGX2043501Aという部品。

ボールジョイントのガタはハンドで動かしたぐらいでは分からない事の方が多いと思います。
ただアッパーアーム側のジョイントが容易に動くので緩い印象があり、とりあえずラバーブーツを外しグリスを詰め直しますが、状態は悪くないよう。

再び組み直しテスト走行すると、荒れた路面でコツコツと鳴る症状は出なくなりました。
単純に組み付けが緩んでいただけなのかと疑心暗鬼。パーツ供給も潤沢ではないようなので、この状態でもうしばらく様子を見ることします。
ただしステアリングの切り返しでゴリッと鳴るのは変わらずなのでステアリングラックインナージョイントは要交換です。

2014/09/20

異音の特定 Identification of the noise


再び左側の足回りのガタの特定に入った。
本来はまっさきに疑うべきでしたが、そう遠くない過去に交換されているはずなのでスタビライザーのリンクは後回しにしていました。
最近、段差の度にコツコツという聞きなれた音に変化してきたので、これはリンクロッドだなと当たりをつけて外す。
このままだとロールの度にロアアームとスタビライザーが接してしまうので軍手でカバー。
この状態で試乗してみます。

思った通りリンクロッドに原因があるようで、外した状態ではコツコツといった音はでません。
交換してからそれほど時間が経ってないはずなんですが。
少なくてもアッパーとロアーのボールジョイントは異音の原因として除外できます。

それと左のステアリングラックインナージョイントも若干音がでてるかなという感じ。
とりあえずボールジョイントの状態をチェックして元に戻し再び様子を見ることにします。

2014/09/15

フィラーホースの修理 Filler neck repair


バンパーをはじめ樹脂が部品の大半を占めるようになったのはいつ頃か。
現在ではかなり耐熱性の樹脂が開発され益々需要は高まり、軽量化に貢献していることと思います。

70年代の樹脂パーツの耐久性はやっぱりまだまだで、経年があることももちろんですが、多くのパーツに硬化や変形、破損が見られます。
私のGSのフィラーホースにも亀裂が見られたため修理しています。ねじ穴から亀裂が入り、ホース内部まで回り込んでいました。
フューエルキャップを受ける、見えているリングをねじで外しエポキシ接着剤で亀裂を埋めるように接着。
しばらく使っていますが、耐ガソリン性も大丈夫なようです。

エキスパンションタンクの修理と同じく臭気から修理を思い立ったのですが、ひどいと雨水が混入し、始動不良や最悪の場合はウォーターハンマーでエンジンを壊すそうなので侮れません。

2014/09/14

バンパーコーナーの交換 Replacement of the bumper corner


若干の凹みがあったバンパーコーナーを交換した。
交換には外から見えているボルトとエンジンルーム側からモナカ構造のボディにサービスホールが開いているので、その奥のボルトを回せばよい。

鉄板をプレスで成型していると思われ、なるほどセンターとコーナーで3分割にした方が生産上都合が良さそうです。
もっと重要なのは、このようにぶつけたり、こすったりした際に簡単に交換出来ること。
海外からの送料(60ユーロぐらい?)別にすれば現在でも数千円、30分の作業で元通りになります。
現在のペイントされた一体成型のバンパーでは、ひとこすり数万から十数万円するかも。

同世代の欧州車を探してもあまり多くない、このようなバンパーをシトロエンが採用したのは、デザインと交換の容易性を考えてのことと思います。
ただし万が一、人をはねたら鉄むき出しのバンパーは凶器となるでしょう。
歩行者の安全を考えるとこれからのクルマへの採用は難しいですが、樹脂でも3分割式にしたら接触の機会の多いタクシーや商用車に採用するメリットは充分にあるのでは。

2014/09/07

携行スペアパーツ Spare parts


私のGSは足として日常利用の上、家族も乗せるので路上で停止なんて事態は絶対に避けなければならないし、まして準備不足によるトラブルは少なくても笑い話になりません。

ということで突然死が起こり、エンジンが始動できなくなる可能性のあるパーツは携行しております。
オルタネーター、デスビ、イグニッションコイル、プラグがあればとりあえず点火系は万全。
ローターとキャップもスペアあり。タイミングライトとフルトランジスタユニットも一応。

キャブレターのトラブルで一番困るのはオーバーフローでしょうか。
こちらもフロートとニードルバルブのスペアを持っています。
他はヘッドライトバルブ。
オルタネーター用のVベルトはたまたま寄ったホームセンターで期間特価2割引きだったので合うものを買っておいたものです。

2014/09/06

点火時期調整 Ignition timing

デスビを外したら点火時期調整です。
ローターの向きは、180°の位相がクランク360°に相当するので、特に意識しなくても1番か3番シリンダーいずれかでタイミングが得られます。

1220エンジンはフライホイールにタイミングマークと、エンジン側に角度目盛りが着いているので簡単。
私はポートバキュームで進角させているので必要無いのですが、本来マニホールドバキュームからのホースは外して調整です。

車両左側に立って手前にデスビを回せば遅角、奥に回せば進角。
感覚的には1cmデスビを回すと20°ぐらいタイミングが変わる感じですので、最後は0.5mm単位の調整が必要。

私は規定値の10°BTDCから進め、ベストから若干のマージンをもって詰めた結果15°BTDCでセッティングしてますが、気温36℃でもノッキングは起きていません。
そのままで車検の排ガス検査もクリアしてます。ちなみにレギュラーガソリン。
遠心進角が働くとエンジン回転数1800rpmで全進角33°に相当するのであくまで自己責任。環境対策としては逆に遅角の方向が正しいです。