シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2018/06/09

スフィア交換後のインプレッション

スフィア交換後の印象。
交換直後より1~2週後の方が当たりがついて乗り心地はソフトに感じます。

リアは最低でも20年は経過していた古いスフィアからの交換ですが、意外にも定常走行中の乗り心地に大きな変化はない。

しかし低速での段差乗り越えでは上手くショックを吸収してくれるように。一方で姿勢変化はかなり許すようになり、アクセルオンでジワーっとリアを沈めながらスタートしたりブレーキでのノーズダイブは往年のシトロエンという感じ。

プラセボ効果かもしれないが、ブレーキも良く効くようになった印象。
よくわからないがフロントブレーキはプレッシャーレギュレーター経由で一定の油圧が掛かっているはず。リアは荷重と相関するので、スフィアの残圧が影響するのかな。

2018/06/03

スタビライザーリンクの交換



今回の足回りのリフレッシュはスタビライザーリンクの交換がメイン。
私のGSの年式ではねじ径が10mmと12mmのタイプのいわゆる前期型。
あまり流通していないので簡単に手に入れることができなかったが、ロットが発注になったのかロンドンに在庫があった。
新品のリンクは樹脂のリブがついていて見た目がゴツい。

初めて取引するCITROEN CLASSICSという店舗です。
値段は良心的でスタビリンクが1本7500円程度。(左右15000円)
スフィアがペアで7500円程度。(前後15000円)
メインアキュームが3300円程度。
価格はポンドなので注意。

品がそろってからの送料別チャージ約10000円の手順と国内の代行キャリアが西濃なので手数料が発生する。今回は国内消費税と合わせて追加で2000円。
郵便経由やfedexなんかだと国内手数料掛からない場合が多いのですが仕組みがわかりません。

2018/05/26

リアサスペンションスフィアの交換



リアサスペンションスフィアの交換はフロントの20倍難しい。
Xmでのトラウマが再現され、結局シリンダーのオーバーホールまで行うことに。

まず油圧を完全に抜く事と作業のためのジャッキアップという相反する事実をこなす必要があるが、自宅にはリフトが無いのでジャッキ2台で車体とサスペンションアームを上げていきます。まあこのあたりはシトロエン乗りにとってはそんなに難しい事ではないと思いますが。

後はスフィアを回すだけで、軽く締まっていればチェーンレンチとパイプレンチで回るはずですが、全く緩む気配がない。仕方がないので高圧配管を外してシリンダー毎外すとなんと20年以上前に交換されたスフィアである事がわかる。(スリーブナットがなめられた形跡があるので無交換ではないよう。しっかりフレアナットレンチを使って欲しいものだ)シリンダーとスフィア自体で突っ張って車重を支えているので長年の間に固く締まってしまったと想像。
車歴によると一時抹消された期間が長いとはいえよくぞ今までクッション性を保っていたものだ。

圧抜きのためスフィアに穴をあけシリンダーを火炙りしても回らず、穴にバールを突っ込んで手掛かりにしても緩まず、結局自宅にはこれらを固定できるサイズのバイスがないので諦めて近所の旧車に強い整備工場に持ち込んで緩めてもらった。
スフィアの方を固定して450mm長のパイプレンチにフルパワーでようやく回るといった感じなのでかなりのトルクで締まっていたと思われます。
バイスさえあれば実際1分もかからない作業で気前よく無料でいいよと仰っていただいたのですが、申し訳ないのでドリンクの差し入れを持って御礼にいってきました。

結局シリンダーのオーバーホールなどで夕方まで掛かってしまった。リターンホースに残っていたLHMが脱着の際にこぼれたが清掃する気力もなく、とりあえず日が暮れるまでに組み上げ完了。もちろんLHMのシールは新品に交換しております。

2018/05/20

メインアキュームレーターの交換

メインアキュームレーター交換の目安と言われるいわゆるプレッシャーレギュレーターのバルブ開閉の「シュー」「カチッ」音。
もともと付いていたのは08年製造のアキュームレーターであったが30秒ぐらいの間隔は保っており十分に使用可。まあ折角なので前後サスペンションスフィアと同じタイミングで交換することにしました。

パワステが無く動作中の油圧維持の抵抗になるのは重力とブレーキだけのシンプルなシステムなので、特に軽量非力なGSでは負担が少ないのかもしれない。

こちらも特に補機類を外すことなく、油圧を開放した後にレンチを掛けて回すだけ。
フロントサススフィアと異なり、水平方向の取り付けなので力は掛けやすいが多少のLHMのロスが発生。養生、清掃を含めて10分程度で交換終了。
このように以前の作業者がスフィア交換のマニュアル通り手締め程度で締めてくれていれば本来簡単な作業であるはずです。

交換後はエンジン始動後に規定の油圧に達するまでの時間が掛かるようになったと感じるが、逆に停止後に車高が完全に下がるまで半日ぐらい維持できるように。
しかしレバーで車高を下げられる方が、アキュームレーターの長持ちやコインパーキングのロック板対策としては好ましいと思う。

2018/05/19

フロントサスペンションスフィアの交換


フロントのサスペンションスフィアを交換。
GSでは初めて、シトロエンではXmに次いで2度目の作業です。
Xmではあまりに固く回らず、オイルフィルターレンチを壊すほど回らなかったトラウマがある。(画像は新旧のスフィアと右上に廃棄寸前のフィルターレンチ)
今回は教訓を元に新たにチェーン式のフィルターレンチのアタッチメントを購入。
手持ちのラチェットハンドルなんかと組み合わせて使うタイプ。

フロントはシリンダーハウジングに回り止めがついているので減圧して正ねじ方向に緩めるだけです。
BX以降はストラット式になりタワーのスペースの確保のためかもしれないが、水平方向に取り付けるのに対し、ダブルウィッシュボーン式のGSでは天地方向に取り付ける。
回すときに力を加え難いかと思ったがチェーンを掛けるだけで力を加えるまでもなくあっけなく緩みました。
またほとんどLHMをロスしないのもこの取り付け方向のメリット。
わずか5分で左右の交換完了。
ところがこの後リアでトラウマ再びの問題が発生します。

2018/05/12

MR 630 64/55 特殊工具の制作


さて先日ドライブシャフトのアウターブーツを交換したが、これはインナーブーツも交換時期に来ているということ。

内側のトリポートジョイントのカップは特殊な形状なので手持ちのブーツは無いが、近い将来の交換に備えてSSTを作成。
私のGSのドライブシャフトは真ん中にバランスウエイトがついているので、アウターのCVジョイントを分解してもインナー側に辿りつけないのです。

GSのトリポートジョイントはCXのようなサークリップで留めているタイプでは無く、ベアリングを外しても三叉が残るようです。
マニュアルでブーツ交換は物理的にスリーブを広げて三叉を乗り越えることが示されている。

そのためのツールとして、15-21mm径のチューブから作成する図面があったので18mm径の塩ビのパイプで作っておいた。

2018/05/04

ヒーターブロアモーター故障?


車検を無事に通したので、その他気になっているいくつかの項目に手をいれていく。
ひとつはヒーター用のブロアモーターで、2月頃から動かくなってしまい、修理を先延ばしにしていたらそのうち気温が暖かくなってきてしまっていた。

バルクヘッドにボルトオンされているモーターを外して12Vを掛けると動くのでブロアモーターの故障ではなかった。
ダイアグラム画像上で赤く引いたあたりが不良個所ということになるが、イグニッションオンで+12vが流れ、ON、OFFスイッチの故障もないので、スイッチから下流の配線が不良であることが分かります。

この部分の断線もないことが通電テストで分かったのでカプラーの接触に問題があることが明らかになった。接点クリーニングと差し直しで無事にブロアモーターの動作が確認でき随分気の早い冬支度となりました。

2018/05/02

車検クリア2018

2018年5月2日無事に継続車検を取得。
直前に寄ったテスター屋でサイドスリップがOUT側に8振れていたので、前回の車検時に学んだようにステアリングラックのインナージョイントを左右計300°延ばす方向に回し、±0を狙う。

適合箇所は数値を示してくれないので調整後の値は不明だが、全ての項目オールOKで初の一発合格が許されました。

ちなみに排ガスは今回もCO0.72%、HC84ppmと優秀な値で推移。
この2年の間に管轄の陸運局では検査ラインの係員は不在になり基本的にセルフで検査する仕組みに変わったよう。
その分、最初の各部適合検査ではここまでエンジンルーム内を目視されたのは初めてであり多少厳しくになったように感じた。

今回車検に掛かった費用は法定費用の他、タイミングベルトとシャフトブーツのパーツ代、予備検費用合わせて65000円ぐらいの出費であった。

2018/05/01

分割式ドライブシャフトブーツ

急遽取り寄せた分割タイプのシャフトブーツ。
ニッサンAY18E-3090801

やはり一般にはネオブーツとして流通しているそのもののよう。
交換手順はネット上に多く公開されているので省きますが、取り付け後はこのような感じです。(濡れているのはグリスが飛んだホイールハウスを再度水洗いしたため)

シトロエンで緑色のパーツと言えば油圧系なので場違いな感じもあるが、見た目はまあまあ。
フィッティングとしてはSeiken SB27と比較してCVジョイントのカップ側、シャフト側共に若干大きく緩い。付属するブーツバンドは簡単に固定できる半面、任意の締め方ができないので若干緩く、位置がずれてきたりわずかにグリスが漏れてくる。

とりあえず車検はこれで通すつもりですが、早急にブーツバンドを交換して強く締めるか、そのうち時間があるときに通常のブーツに交換した方が相性は良さそう。ポン付けというわけにはいかないのでご注意ください。

ドライブシャフトブーツの破れ


明日の5月2日第1ラウンドで継続検査の予約を入れているにも関わらずドライブシャフトブーツの破れを発見してしまう失態。
帰省時の走行で破れたに違いありません。
画像はクリーニング後であるが、グリスが飛散して悲惨な状態に。

左側はCVジョイントを分離してseiken SB27の通常のブーツで交換しているが、何せ明日の車検で時間の余裕もない。昨日のタイミングベルトの交換で腰の負担も限界なので今回は分割タイプで交換することに。

ネオブーツではB-E03という品番が該当のようだが、通販ならともかく即日手に入る在庫がみつからない。
もともと旧式の日産マーチに互換があるとのことなので、最寄りの日産部品で通常ブーツの品番ニッサン39241-16R00から調べてもらうとニッサンAY18E-3090801が同型の分割タイプということが分かり在庫はないが本日夕方取り寄せ可能とのこと。
オーダー時に店頭で見せてもらったカタログからはネオブーツのOEM品だと想像できます。

とりあえず破れたブーツを外し(画像2枚目)古いグリスを清掃してジョイントに異物が入らないようラップで養生して部品の到着を待ちます。

2018/04/30

タイミングベルトの交換

二年に一度のイベント。
5月に車検をむかえるので重点的にメンテナンスを行います。
ちょうどGW後なので作業が捗ってその点ではありがたい。
帰省も兼ね実家のガレージでリフト、エアインパクトツールをお借りします。

今回のメインはタイミングベルト。記録では前回約10年前の交換になっている。
距離は10000kmもいっていないが経年が気がかり。
車検とは直接関係ない項目ですが作業工程にヘッドライトの脱着があるので光軸の変化を嫌い、テスター屋での最終チェック前には完了しておかねばと。

懸念の42mmのクランクナットも強力なインパクトのおかげであっさり緩んだ。
ベルト交換そのものはカムやプーリーを固定する必要もなく合マークの位置を合わせて交換するだけなのでそれほど難しくはありません。
テンショナープーリーの固定に多少コツが必要であるが、プーリーを入れるだけでかなり張りがでて、それほど調整幅をもたないので問題がなかった。
バネが利く位置に固定できればまず大丈夫。

画像はクランク、カムプーリー、LHMポンプの合マークとベルトのマークがズレないようバイスで仮留めした最終段階。
以前に国産化したオルタネーターの位置も良くわかります。

それだけなら3時間ぐらいの工程だと思いますが、ここまで外したからには各部清掃してからの組み上げになったので結局半日掛かってしまった。
半日も作業していると体の方が悲鳴をあげ、年々つらくなってきたので、もしかするとこちらの方が先に逝く可能性が否定できなくなってきた。

2018/04/06

タイア エアバルブの交換

左後輪のエアバルブが不良になってしまい1年ぶりのパンク。
スペアに履き替えて近所のカー用品店に持ち込み交換してもらいました。

前回の作業記録が残っていて2017年2月5日に前輪左で同じ作業をしている。丁寧に走行距離や車検まで把握されております。

こうなると右側の前後輪も同様にパンクするのは時間の問題であろう。普通はタイア交換と一緒に済まされているべきものではないかと。

車種がC5になっているのに注目。GSと字面が似てなくもないですが、もはやレジのコンピュータの選択肢には入ってないことと思います。

2018/03/25

17-18フランス旅行備忘録







2017年末から2018年始にかけフランスに出かけた。パリ、ロワール渓谷からリヨン。リヨンからはマルセイユまで南下し道中は主にレンタカー。最後はTGVでバルセロナを目指すというルートです。冬場は日没が早いので食事をメインにおいた旅行。各地方の料理を堪能してきました。

さて今回車に関して気になったこととして、以前は同じPSAグループでもパリジャンはプジョーより地元のシトロエンを好んでいる印象を持っていたが、直近では明らかに路上での台数の割合が減っていると感じた。シャンゼリゼのお互いのアンテナショップではプジョーが入場制限、手荷物検査でごった返しているのに対し、シトロエンのそちらでは我々しか入場していない有様。

シャイヨー宮の建築博物館ではシトロエンのアンテナショップそのものの建築模型とGSのミニカー展示されていたので写真に収めておいた。車よりも前衛建築が評価されているようだ。

バッテリーの交換

バッテリーを交換しました。
以前に2度ほどラジオをつけっぱなしにする不注意で2度ほど上げてしまっている。
その後もだましだまし使っていたが、いよいよダメになってきてしまったので新調。

amazonで送料込み8500円ぐらい。
ACデルコの27-44はすでにカタログから落ち、若干性能が向上したLBN1という製品に交換。互換品にBOSCH SLX-5Kというものがあるがこちらの方が1.5倍ぐらい値段が高いです。

私がオーナーになってからは初めてのバッテリー交換であったが交換日がメモしてなかったので使用期間が分からなかった。シリアルから製造年月が分かることが判明し調べると2009年11月1日製造。9年前のバッテリーであった。

始動は明らかに変化があり、これまでであればチョークを引いてクランキングする場面でも、アクセルを踏み込んだだけのチョーク無しで始動が可能に。
数千円ケチっていたのがばかばかしくなりました。