シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2020/08/07

継続車検

 

2020年8/7車検更新。
COVID19で更新を逃しようやく更新しました。
今回の点検ではナンバー灯だけの不具合でしたが、
かれこれ7年ぐらいノートラブル。

更新怠っていますが、私も車も元気です。
ただ年々予備検でヘッドライトの光量低下を指摘されるのが心配。
(本番では左の向きだけがOUTで再検査)

そういえば同世代である自分の身体の衰えも感じているので当然といえば当然。
ライト内部の反射板というかめっきだろうから次の車検までにユニットごと交換しなければいけないかも。
それすらNOS品だろうから経年で能力はおちているのではないか・・・。

2018/06/09

スフィア交換後のインプレッション

スフィア交換後の印象。
交換直後より1~2週後の方が当たりがついて乗り心地はソフトに感じます。

リアは最低でも20年は経過していた古いスフィアからの交換ですが、意外にも定常走行中の乗り心地に大きな変化はない。

しかし低速での段差乗り越えでは上手くショックを吸収してくれるように。一方で姿勢変化はかなり許すようになり、アクセルオンでジワーっとリアを沈めながらスタートしたりブレーキでのノーズダイブは往年のシトロエンという感じ。

プラセボ効果かもしれないが、ブレーキも良く効くようになった印象。
よくわからないがフロントブレーキはプレッシャーレギュレーター経由で一定の油圧が掛かっているはず。リアは荷重と相関するので、スフィアの残圧が影響するのかな。

2018/06/03

スタビライザーリンクの交換



今回の足回りのリフレッシュはスタビライザーリンクの交換がメイン。
私のGSの年式ではねじ径が10mmと12mmのタイプのいわゆる前期型。
あまり流通していないので簡単に手に入れることができなかったが、ロットが発注になったのかロンドンに在庫があった。
新品のリンクは樹脂のリブがついていて見た目がゴツい。

初めて取引するCITROEN CLASSICSという店舗です。
値段は良心的でスタビリンクが1本7500円程度。(左右15000円)
スフィアがペアで7500円程度。(前後15000円)
メインアキュームが3300円程度。
価格はポンドなので注意。

品がそろってからの送料別チャージ約10000円の手順と国内の代行キャリアが西濃なので手数料が発生する。今回は国内消費税と合わせて追加で2000円。
郵便経由やfedexなんかだと国内手数料掛からない場合が多いのですが仕組みがわかりません。

2018/05/26

リアサスペンションスフィアの交換



リアサスペンションスフィアの交換はフロントの20倍難しい。
Xmでのトラウマが再現され、結局シリンダーのオーバーホールまで行うことに。

まず油圧を完全に抜く事と作業のためのジャッキアップという相反する事実をこなす必要があるが、自宅にはリフトが無いのでジャッキ2台で車体とサスペンションアームを上げていきます。まあこのあたりはシトロエン乗りにとってはそんなに難しい事ではないと思いますが。

後はスフィアを回すだけで、軽く締まっていればチェーンレンチとパイプレンチで回るはずですが、全く緩む気配がない。仕方がないので高圧配管を外してシリンダー毎外すとなんと20年以上前に交換されたスフィアである事がわかる。(スリーブナットがなめられた形跡があるので無交換ではないよう。しっかりフレアナットレンチを使って欲しいものだ)シリンダーとスフィア自体で突っ張って車重を支えているので長年の間に固く締まってしまったと想像。
車歴によると一時抹消された期間が長いとはいえよくぞ今までクッション性を保っていたものだ。

圧抜きのためスフィアに穴をあけシリンダーを火炙りしても回らず、穴にバールを突っ込んで手掛かりにしても緩まず、結局自宅にはこれらを固定できるサイズのバイスがないので諦めて近所の旧車に強い整備工場に持ち込んで緩めてもらった。
スフィアの方を固定して450mm長のパイプレンチにフルパワーでようやく回るといった感じなのでかなりのトルクで締まっていたと思われます。
バイスさえあれば実際1分もかからない作業で気前よく無料でいいよと仰っていただいたのですが、申し訳ないのでドリンクの差し入れを持って御礼にいってきました。

結局シリンダーのオーバーホールなどで夕方まで掛かってしまった。リターンホースに残っていたLHMが脱着の際にこぼれたが清掃する気力もなく、とりあえず日が暮れるまでに組み上げ完了。もちろんLHMのシールは新品に交換しております。

2018/05/20

メインアキュームレーターの交換

メインアキュームレーター交換の目安と言われるいわゆるプレッシャーレギュレーターのバルブ開閉の「シュー」「カチッ」音。
もともと付いていたのは08年製造のアキュームレーターであったが30秒ぐらいの間隔は保っており十分に使用可。まあ折角なので前後サスペンションスフィアと同じタイミングで交換することにしました。

パワステが無く動作中の油圧維持の抵抗になるのは重力とブレーキだけのシンプルなシステムなので、特に軽量非力なGSでは負担が少ないのかもしれない。

こちらも特に補機類を外すことなく、油圧を開放した後にレンチを掛けて回すだけ。
フロントサススフィアと異なり、水平方向の取り付けなので力は掛けやすいが多少のLHMのロスが発生。養生、清掃を含めて10分程度で交換終了。
このように以前の作業者がスフィア交換のマニュアル通り手締め程度で締めてくれていれば本来簡単な作業であるはずです。

交換後はエンジン始動後に規定の油圧に達するまでの時間が掛かるようになったと感じるが、逆に停止後に車高が完全に下がるまで半日ぐらい維持できるように。
しかしレバーで車高を下げられる方が、アキュームレーターの長持ちやコインパーキングのロック板対策としては好ましいと思う。

2018/05/19

フロントサスペンションスフィアの交換


フロントのサスペンションスフィアを交換。
GSでは初めて、シトロエンではXmに次いで2度目の作業です。
Xmではあまりに固く回らず、オイルフィルターレンチを壊すほど回らなかったトラウマがある。(画像は新旧のスフィアと右上に廃棄寸前のフィルターレンチ)
今回は教訓を元に新たにチェーン式のフィルターレンチのアタッチメントを購入。
手持ちのラチェットハンドルなんかと組み合わせて使うタイプ。

フロントはシリンダーハウジングに回り止めがついているので減圧して正ねじ方向に緩めるだけです。
BX以降はストラット式になりタワーのスペースの確保のためかもしれないが、水平方向に取り付けるのに対し、ダブルウィッシュボーン式のGSでは天地方向に取り付ける。
回すときに力を加え難いかと思ったがチェーンを掛けるだけで力を加えるまでもなくあっけなく緩みました。
またほとんどLHMをロスしないのもこの取り付け方向のメリット。
わずか5分で左右の交換完了。
ところがこの後リアでトラウマ再びの問題が発生します。

2018/05/12

MR 630 64/55 特殊工具の制作


さて先日ドライブシャフトのアウターブーツを交換したが、これはインナーブーツも交換時期に来ているということ。

内側のトリポートジョイントのカップは特殊な形状なので手持ちのブーツは無いが、近い将来の交換に備えてSSTを作成。
私のGSのドライブシャフトは真ん中にバランスウエイトがついているので、アウターのCVジョイントを分解してもインナー側に辿りつけないのです。

GSのトリポートジョイントはCXのようなサークリップで留めているタイプでは無く、ベアリングを外しても三叉が残るようです。
マニュアルでブーツ交換は物理的にスリーブを広げて三叉を乗り越えることが示されている。

そのためのツールとして、15-21mm径のチューブから作成する図面があったので18mm径の塩ビのパイプで作っておいた。