シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2015/02/22

右Fウインドウレギュレーター Flont window regulator


画像はなんだかガルウィングのようですが、開閉に難があったウインドウレギュレーターの修理をした。
下げることは可能ですが、上げるにはガラスを手で引っ張ってサポートしないとハンドルが回らないというトラブル。
レギュレーターハンドルがどうしても外れないので後回しにしていましたが、装飾も同じタイプのハンドルが手に入ることが分かったので、最悪壊してしまっても大丈夫と作業開始。

と壊す覚悟で臨んだがそれでも外れず。たぶん強固に接着されてます。
結局はトリムはクリップのみ外して、ハンドル部分を軸に回して防湿シートを剥がした隙間から鏡とライトを当てながらの窮屈な作業。
リアとフロントはレギュレーターの構造に違いがあり、ガラスをランナーに接着しているのみのリアに対し、フロントはしっかりレールに乗っています。ご覧のように過去に何度か作業された形跡があるのでオリジナルではないのかもしれませんが。

ギア部分のサビを削り、グリスを刷り込むことで復旧。
トリムのクリップ外しには100円ショップで買った画鋲外しが活躍中で今のところクリップの欠損ゼロです。

2015/02/21

排気バルブ Exhaust valve


左バンクのエキマニを外したときにポートの状態を覗いておいた。
バルブに付着するカーボンの量がリア側1番とフロント側2番でかなり違います。
確かに以前、順に各シリンダーを失火させたときに2番が超元気でした。
フロント側は白く焼けカーボンはほとんど見えないのに対し、リア側はカーボンが固まりのように。
空冷だとリア側の方が焼ける傾向にあると思うのですが逆です。

まあ確かにプラグの焼け方も1番だけ若干かぶり気味なのも気になっていたところ。
燃焼温度が違うのでしょう。
亀裂の入った2次エアインジェクションパイプがポートまで伸びていたので影響があったのかもしれませんが。
しばらくプラグの状態を確認しながら様子をみてみます。
やっぱりコンプレッションゲージが欲しい。

2015/02/15

アンダーパネルのCleaning


アンダーパネルもクリーニングしておきます。画像は作業中。
灯油と雑巾、ブラシやスポンジと中性洗剤を駆使してオイルや泥の固まりを落とす。
キズや凹みもあるので、本来キズを埋めてアンダーパネル毎塗装したいと思っていたぐらい。
これもそのうちやらなければ。

それにしてもこれだけの重量物を最先端にぶら下げて回頭性が落ちた反省がBXに活かされているんでしょうが、当時の樹脂製のボディパネルの割れ、変形、退色をみるとこれはこれでありなのかもしれない。

Operations


溶接からあがってきたマニホールド。
並行して行っている二輪車のレストアで破損していたフレームの溶接も依頼した店。
カットしたインジェクションパイプの穴を埋めてもらうだけだったので1000円でした。

パカパカ口を開けていたインシュレーターのモナカはグラスウールのバンテージで巻き上げた。
結構高いので25㎜幅の5mでケチったら足らず、スフィアも巻こうと思ったら8mは必要です。

耐熱ガスケットを塗布して組み上げ、アンダーパネルも取り付け完了。
4時間、溶接にバンテージ購入代を加え3600円の作業でした。

当然ながら排気漏れがなくなったため、音が静かになりヒーターブロアからの臭いも軽減されました。

2015/02/14

M7


溶接が終わるまで暇なので、傷んだナットとボルトのねじ山をタップ&ダイスで切り直す。
熱が加わるマニホールドのナットと、雨があたる部分のナットはどうしても錆びてしまいます。
M7というサイズのねじはほとんど国内に通常在庫がないので、ストックしてますが、大事に使う。

そしてねじが無いのになぜかタップ&ダイスのセットにはM7用も入ってます。
安物の輸入品なので海外では逆にM7も汎用されているのか?

まあ結局アンダーパネルの取り付けの際にボルト箇所が多く面倒で省略した結果、逆にM7のストック品が増えてしまったのですが(笑)
片側コーナーバンパーだけで本来4カ所ですので、相当な念のいれようです。

排気漏れのTest


このような外殻が脆く崩れつつある状態なので排気漏れが心配。
これは以前より気になっていました。
エアインジェクションパイプを切断して封を施し、プレヒーティングパイプから息を吹き込みテスト。

リークがあればマニホールドを交換するつもりでしたが、十分使えるようです。
インシュレーターは薄い鋼板のプレスですが、本体は厚い鋳物でそう簡単に穴が開くようなものではなさそう。
カーボンの状態もごく普通。再利用のため切断した部分を埋めてもらいに近所の溶接屋に持っていきました。

2015/02/13

排気マニホールド Exhaust manifold


これが外した左バンクの排気マニホールド。
タコ足とは良く言ったもので、むしろタコそのものに見える。
なんと2次エアは排気ポートにインジェクトしていました。
その方が効率がいいんでしょうがアフターファイア起こすよね。
結構な排気抵抗にもなりそう。

ブリッジパイプのところから本来T字の部分で折れていて、そこから排気漏れが起きています。

そしてインシュレーターが2重のモナカ状構造にサンドされている。
さらに左のエキマニにのみ存在する意味が分からないスフィア。
もうこのモナカがサビでボロボロはがれ、中のたぶんアスベスト(!)がむき出しに。

アンダーパネルを外す Remove the under panel


エキマニの作業のためアンダーパネルを外しました。
スチール製でそれなりの重量があるので全部で20箇所ぐらいのボルトで留まっている。

グリルとターンインジゲーターとコーナーバンパーを外したら、潜ったり手を突っ込んだりしながらひと通りのボルトにアクセス可能。

これだけのために製造時には結構なコストが掛かったことでしょう。
現在の樹脂製のパネルだったら軽いし数カ所留めるだけでいいんでしょうね。
ただナットを後ろでおさえなくて良い点は考えられているようで楽でした。