シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2017/06/24

油圧経路図






















備忘録として色塗りした油圧経路図をアップしておく。
赤い色の高圧配管からの漏れはまずないだろう。あるとしたらハイトコレクターやブレーキキャリパー、ブレーキマスター、サスペンションシリンダーのシールからの漏れが先のはず。
とりあえず油圧が掛かる方向も示しているが、車高が下がるとき、ブレーキを開放するときは、シリンダー、キャリパーからは逆に流れ、それぞれハイトコレクターとブレーキマスターから緑色のオペレーショナルリターンの経路でLHMタンクに戻される。と思う。

青いリターン(リークバック)は流れる量も多くなく、細い半透明の樹脂パイプで配管され図ではオーバーフローリターンと解説されている。

油圧経路でおそらくもっとも漏れが多いのは緑色のオペレーショナルリターンだろう。今回交換したのは4WAYユニオンからLHMタンクに戻すチューブ。プレッシャーレギュレーターから4WAYユニオンまでの経路も漏れが報告され、漏れればインボードブレーキディスクに浴びせることになり危険。経年とエンジンの熱で硬化とひび割れが進んでいるのがわかります。

アンダーボディーには7本の配管が走っているが1本は燃料パイプ。2本がリークバック(ハイトコレクター、サスシリンダー)3本が高圧でリアブレーキはリア荷重圧に応じるため(1)リアハイトコレクターに流れる配管、(2)リアサスシリンダー圧でブレーキマスターに流れる配管、(3)ブレーキマスターからリアキャリパーに流れる配管と、1.5往復している。残りの1本が車高が下がるときにハイトコレクターから戻されるオペレーショナルリターン。図面見ながらでもようやく理解したというのに開発した人は凄いなあ。

2017/06/21

パーキング

GSを普段使いしてどれだけ実用上のメリットを受けるかというと実はあまりない。サイズと重量からすれば優れた乗り心地といえるが、エアコンもパワステもない古い車がトータルでコンフォータブルかというと全くそんなことはありません。

たまに利用する公営駐車場の発券機には最近珍しいこんな表示が。巷にBXやXantiaがあふれていた頃は結構見かける機会があったが最近は珍しい。アンチシンク機構がついたからもしれません。

そんな今でも気の利いた駐車場ではGSに乗っていると平置きに誘導されることが多い。過去にCML上で立体駐車場でLHMを下段の車両にまき散らしたとか、亀の子になって出られないなどトラブルの話題が尽きなかった事から駐車場関係者にも悪い意味で伝説になってるのかもしれませんが。

都内の某高級ホテルでベンツすら許されないエントランス横に、ベントレーやランボルギーニに並び駐車を許されたCXを見たことがあります。良くも悪くも(多分悪くですが)少し特別扱いされるのは数少ないメリットかも。GSでエントランス横付けができるか?・・まず泊まれる身分にならなくては。

2017/06/17

LHMリターンチューブの交換


漏れていたのはLHMリターン経路メインの一つ。前後ハイトコレクターからのリターンと、プレッシャーレギュレーターからのリターンが合わさって、LHMタンクに戻すチューブ。経年でかなり硬化して4wayユニオンの付近に3㎜ぐらいの亀裂が発生してました。(画像の矢印部分がその亀裂と車上での場所。空調ダクトを外して上から見た部分)
ここはリターンと言えど、エンジンが掛かっていればプレッシャーレギュレーター規定圧を超えた分のLHMが絶えず流れるし、ハイトコレクターからも車高調整に余分なLHMが戻されてくる部分でいわゆる強制リターンでオペレーショナルリターンと解説されている経路だと思う。わずか3㎜ぐらいの亀裂でもエンジンが掛かっているとジワーッと漏れてくる。エンジンオフでも各部の残圧で漏れてきますが。
LHMタンクは密閉なのか大気圧開放なのかよくわからないのですが、1気圧もしくはLHMポンプに引かれ負圧なはずであるのに結構漏れてくるのね。内径9㎜、外径13㎜のホースをホームセンターで購入し交換して終了です。いずれ緑色のラインが入った純正のチューブに戻したいところ。

2017/06/16

LHMセーフティバルブへのアクセス

セーフティーバルブ周辺からのLHM漏れ。
放置していたが、いよいよガレージの床に広がってくるシミに家内も気が付くようになった。なんか緑色の液体が出てるけど大丈夫?と。
車はパーツを交換すれば修理ができるが、家庭が壊れると修理が困難なことは先人が教えてくれている。

腰曲げる姿勢がつらいなあと思って先伸ばしにしていたが修理を決意。ホイールハウスからスプラッシュガードを外すと比較的容易にアクセスできることが分かった。(画像は右のフェンダー側から。ステアリングを左いっぱいに切っておけばタイヤすら外す必要はない。)
当初LHMラインのジョイントがありすぎて区別が難しいと思っていたが、修理の利便性を考えてこの場所に集中しているのかも。辿っているうちにどこがどこに繋がっているか理解できて勉強になった。

クリーニングして怪しい箇所に綺麗なペーパーを巻いて漏れ箇所の特定を急ぎます。