シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/06/29

ハーネスの養生 Cover of the harness


束ね直したハーネスをチューブでカバーしました。
点火系やライト類のメインハーネスはコルゲートチューブで覆う。
オルタネーターからのプラス線がオイルクーラーの上を通っていたので取り回しを変え、スターターモーター、バッテリー(+)と繋ぐラインは赤いスパイラルチューブでカバー。

整理が命ですみたいな現代のアウディのエンジニアなら卒倒するほどゴチャゴチャしたワイヤー、各ケーブルの取り回しですが、これでも空冷だったりエアコンが無い分シンプルです。

2014/06/28

エアポンプを外す Remove the air pump


一等地に収まっている未動作のエアポンプを外しました。
見えているボルトを回せば良いかなと思っていたら回らず、ベース毎外すため結局EGRバルブやらエアクリーナー、オルタネーターも外すことになりました。

エアポンプが死んでいても排ガスの数値はクリアできることが明らかなのでEGRに比較して利用価値は低く外してしまうことを選んだ。
外すと吸気系へのアクセスが格段に良くなります。
現在稼働しているものがあるのなら環境対策にも歴史的にも是非働きを見たいものです。

2014/06/22

ワイヤーハーネス Wire harness


ハーネス類のチェックをはじめました。
目的は劣化したワイヤーを見つけトラブルを未然に防ぐこと。
トラブルの際はすぐに対応できるように区別しておくこと。

オリジナルの配線図と見比べながらチェックしていくとこれまでの修理とモディファイの想像がつきます。
オーディオかライトかなんらかの電装品が取り付けられたことがあるのか、オリジナルに無い配線やリレーがあったので処分。

そしてまずは最もフロント側のハーネスを解きました。
驚いたのは配線の色分けに基準がないこと。
エンドに識別用のカラーが付いているものもあるが、プラスもマイナスも機能毎にも区別されていません。
オリジナルか不明ですがおまけにマイナスアースはハーネス内で5本ぐらいタコ足状にかしめられている状態。
このような無頓着ぶりが仏車の電気系統の弱さの原因のひとつではないかと思います。

各接点を確認しワイヤーの一つ一つにハイビーム+、車幅灯−、オルタネーターDFなどラベルをつける。
使われていない排ガスコントロール系のワイヤーを分離し再度束ねました。
活用すれば油温45度でオン、オフできるウォーミングランプやファンなどの追加もできるのでリレーはそのままにしてあります。

2014/06/15

Weber 30DGS


結局のところキャブレターとはほとんど調整できる幅をもたない。
それでもセッティングを変更しようと思えばジェット数々の番手を変更しなければなりません。

バラして思うのは、改めて精密で優秀な機械ということ。
針の先ほどのラインで燃料、空気、バキュームをコントロールし、複数のリンクでバタフライを連携させる。
クルマ指定の各ジェットが収まっていれば、あとはキャブレターが全てやってくれることになっています。

つまりキャブが不調とは各部の取付不良かラインの詰まりしかありえず、ほとんどが人為的なものでないか。
調整できるポイントは油面、ミクスチャー、アイドルの3つしかありません。
もしセッティングを大きく変更する必要があればエンジンの方に問題があるはず。

それですら経験の乏しい私はミクスチャーのセッティングを出すのに数日も掛かっています。
ただ、構造が分かるとスロットルの開け方次第で加速ポンプ働きなどが走行中も分かります。
2バレルのセカンダリー側が開く時の体感的なトルクの盛り上がりと吸気音は非力なGSにとってのハイライト。
アクセルが少し重くなりはじめるポイントがそこです。

2014/06/14

マフラー釣りゴム交換 Hanger bracket


燃料がいっぱいで交換できていなかった右側のマフラーハンガーを交換した。
交換のためにはそのものの弾性で収まっているブラケット毎外す(1を下げる、2をスライド)必要がありますが、1の際にフィラーホースと干渉してしまいます。

ガソリンも残り1/4ぐらいになったでしょうか。
フィラーホースを外しても漏れないことを確認し交換に至りました。
ハンガーは市販の一般的なもの。
一旦交換してしまえば5-10年は平気でしょう。
落下防止にゴムの周りにタイラップを巻けばよりベター。

2014/06/08

ダッシュポットの調整 Adjustment of the dushpot


キャブ調整の仕上げにダッシュポットの調整を行いました。
スロットルの急激な戻りを防止して有害ガスの発生を防ぐという装置。
基準はあって4250rpmでダッシュポットの先端がスロットルアームに接触し、4500rpmから1200rpmまで落ちる時間が2-3秒になるようにリターンスプリングのテンションを調整というのもの。

まあ私の場合、アクセルフィーリングの調整の意味合いが強いです。
ATのような空走感が好みではないのでダッシュポットの効きはわずかに。
スプリングはエアクリーナー側にあるはずのフックが欠品しているのでキャブ側を1cmぐらい切ってU字を曲げ直し、現状より強めにすることで緩慢だったアクセルの踏み心地も若干重くしました。
アクセルワイヤーの張りも調整して好みのフィーリングに。
現在のクルマはほとんどスロットルバイワイヤになり好みも何もないですが、ちょっと古いものはこのあたりの微調整ができるのが面白いところです。

2014/06/07

完調 キャブスロー系 Idling speed adjustment


スロー系のセッティングがバッチリでました。
ストックのキャブレターで構造と仕組みを理解することを始めると単純に私のミスでした。

まずアイドルストップソレノイドが奥まで入っていなかったこと。
構造上、手でねじ込むしかなく、新品のOリングが硬く手前で止まっており正しい燃料の計量ができていなかった。

またチョークを絞ると若干のスロットルを開けるためのリンクがあるが、ここがチョークリターンのストップスクリューと当たっておりスロットルを全閉にできていない状態でした。
車載のものもストックのものいずれも当たるので、構造上クリアランスが少ないようで注意が必要。(あるいはその位置がハーフチョークの節度部位なのかも?)
チョークバラフライが全開まで戻した状態でチョークケーブルを固定します。

燃焼状態は明らかに良くなりマフラーからの白煙は無く、水蒸気のみがあがります。
ミクスチャースクリューは全閉より1.25回転戻しです。(もう少し絞れるかも。)
スロットル調整スクリュー調整ののちアイドリングは950rpmでピタリ安定。
この状態でCOは2.0-3.5%が規定値。もいっかいテスター屋に行ってこようかな。
排気ガスは明らかに臭くなくなりました。

2014/06/06

キャブフロートレベル調整 Float level adjustment


ドライブシャフトは後回しにして、非常にリッチな状態のスロー系の調整を詰めることにし、初心に返ってフロートレベルを見てみます。
カバーを外すにはスロットルリターンスプリング、エアクリーナー、チョークのリンクとバキュームカプセルを外す必要があります。

基準ではニードルバルブ先端のチェックボールを押さない状態でフロートとガスケットの幅が6.5mmでなければなりませんが、規定値通りの良いコンディションで問題無いようです。
折角なのでキャブクリーナーでボディー部も各部清掃してカバーを戻しました。

2014/06/01

ドライブシャフトDriveshaft


最近の異音は左いっぱいにきっての左折の際にゴッ、ゴッ....っと回転に応じて出ていて、ハブベアリングかドライブシャフトを疑っている。

シャフト左右入れ替えて音が反対になればシャフト、あるいは前進の負荷の方向が変わるので異音がなくなる可能性も期待しています。
音が左のままならベアリングでしょう。

ということでシャフトを抜いたのですが、右側がびくともせず抜けません。
プラハンマーから金属に持ち替えても、5-56攻撃も、やりたくなかったがバーナーで炙ってもダメ。

ハブを曲げそうでプーラーもかけられず、こうなるとガレージでは無理で、ベースに乗り込んでハブ、ナックル毎外してプレスで抜かなければなりません。
いそいそと組み直し半日無駄にしました。