シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/07/05

エンジン その4 Engine part4


GSとBXのエンジン搭載位置の比較。
全体的なサイズ、プロポーションは良く似た2台ですが、エンジンの形式がその成り立ちを根本的に変えています。オーバーハングに置かれたGSのエンジンはトラクションが良くかかり、サスペンションの設計に余裕を持たらした反面、どうしても鈍重なステア特製にならざるを得ません。

フロントアクスル上に横置きされたBXはエアコンなど補記類の設置、軽快なハンドリングなど大きなメリットを生み出した反面、横方向スペースの制約からかストラットとなり一部のパーツに大きな負荷を掛けることになりました。

GSのエンジンレイアウトが優れている点は音と振動。
絶対的にはたいした遮音がされていないため静かではありませんが、音源が遠くにあるためこの時代の大衆車と思って乗ると予想以上にうるさくない。またステアリングに伝わってくる振動もトルクステアも無く、高級車然というか縦置きのメリットが感じられます。

パワーや軽快感、空調などGSのネガの多くを潰すことに成功したBXですが相対的にエンジンがキャビンに近く後方排気を採用したため、騒音のほかに電気系統に与える熱害も新たな問題として現れてきました。

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