シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/07/27

スペアタイヤのホイール塗装 Repainting of the spare wheel


エンジンルーム内にいろいろ手を加えていたらスペアタイアのホイールの傷、サビ、汚れが気になったので、いつものように磨いてから塗装した。

オリジナルのペイントはもう少しグレーがかったシルバーでやや黒っぽい。
そしてわずかに黄色が入っている感じ。クリアー塗装の変色かもしれませんが。

GS乗りにとってスペアタイアを何処に置くかは結構悩む点です。
私の乗り方ではエンジンルームに置いても熱害の兆候は見られません。
ただハンドリングはかなり変わる印象があって、トランクに置いた方がノンパワステのステアリングが明らかに軽い。

衝突の際にタイヤに衝撃を吸収させるためのエンジンルーム設置だそうですが、万が一これがバルクヘッドを突き破り居室に飛び込んでくるかもしれないと思うと私は鵜呑みにできません。

2014/07/26

オルタネーターのテスト Checking the Alternator


さてICオルタネーターに換えてのインプレッション。
これまでアイドル中に14.4-14.8Vぐらいで振れていた電圧が14.2-14.3Vで安定。
信号待ちなんかではヘッドライトの明るさも安定しました。
まあこれは元のレギュレーターに問題があったのだと思いますが。

また発電負荷が高まると抵抗に負けてアイドル回転数が下がる(ブレーキランプOnで-50rpm、ヘッドライトOnで-100rpmという具合)傾向にあったが、これは変わらず。
もう少し高効率かと思いましたが、必要な出力に対する必要な磁界=回転抵抗は物理的に変わらないことを証明したようなものです。

デスビのバキューム進角をマニホールドバキュームに繋ぎ、排ガス対策で使われていた電磁バルブ、リレーを使いライトOnでアイドルアップをすることも不可能ではないですが今のところこのまま。
停車中は車幅灯まで落とした方が、負荷軽減ですしもちろんエコに繋がるでしょう。

一番のメリットとしては元のオルタネーターをスペアとして持ち運べること。
そして何より手に入り易い国産品の設置についてここで共有出来たことでしょうか。

2014/07/21

オルタネーターの配線 Alternator wiring


ICオルタネーターの基本的な配線は2本。
B+はスターターモーター+経由でバッテリーの+に繋ぐのはこれまでと同じ。
もう1本はIG、つまりイグニッションでオンできる+線を導く必要があります。
ちなみにE-アースはボルトオンした時点でボディーに流しているので配線は不要。

過去に各配線にラベルをつけているのでIG線を見つけるのは困難ではありません。
不要になったレギュレーターへのIG線を、これまでオルタネーターコントロールに使われていたF線、フィールド配線に短絡させます。
こうすることで元のハーネスをそのまま生かすことが可能。
つまりオリジナルのDucellierのオルタネーターに戻す際は短絡線を外しカプラを差し込み、オルタネーター側でB+、IGからFに差し替えるだけです。

2014/07/20

国産オルタネーター設置 Alternator fitting


国産(DENSO31400-76G40)のオルタネーターの設置に成功した。

①ICレギュレーター部とキャブレターの干渉を回避するため取り付けベース部でワッシャーでスペーサーを作り9.6mm前進。

②元の取り付けボルト、オルタネーターはM9(DENSOはM10)という珍しいサイズなのでスリーブを入れM8ボルトが使えるように変更。

③元のオルタネーターの取り付け部は6時、1時なので、国産オルタネーターの12時をステーに合うよう1時から1時半の位置で固定できるようプレートを追加。

④ファンシュラウドを部分切除しオルタネーターボディとの一部干渉をクリア。

ファンベルトもそのまま使うことができ、当初の目論見通り基本的に車体側、オルタネーター本体共に無加工で取り付けが可能でした。
これでいざという時は路上でもスペアとなった元のオルタネーターに復帰できます。
思考錯誤しながらでしたが2時間、ホームセンターにあるパーツで1000円ぐらいの作業。
後は配線とテストが必要です。

2014/07/19

吸気管の交換 Re-deployment of the intake system


こんなふうにサビサビだった吸気管周辺を交換と塗装で綺麗にした。
シルバーに塗装したものの見かけますが、私は黒を選びました。
インマニを外したのでオイルクーラーのフィンを清掃し、EGRバルブも以前に詰まりを清掃し使える状態にしておいたストック品と交換。
作動させてやるとアイドルが不安定になるので働いている証拠でしょう。
ところでキャブベース下部のドレーンからエア吸いっぱなしなんですけどいいんでしょうか。

オルターネーターのフィッティングに兼ねてついでのつもりでしたが、結構大変な作業でした。
労の割には機能に関係ないばかりか、エンジンフードを開けない限りは作業内容は全く分からない。
完全な自己満足。

2014/07/13

サビ落とし Remove the rust


オルタネーター交換を機に吸気系周辺をクリーニング、塗装しようと思いたち、エンジンシュラウドの上面とキャブヒーター管の錆を落とした。(画像は作業中)
錆もごくごく表面的なのでヤスリで荒削りしてからスチールウールで磨いていきます。
以前、ストック品を再塗装していたインテークマニホールドとまとめて交換しリフレッシュしようと思います。

2014/07/12

オルタネーターのブラシ DENSO 31400-76G40


中古品の現状理解のため背面のパーツを分解、清掃。
レクチファイアはそのままですが、鉄粉(カーボンかな)が飛散しているブラシとICレギュレーター部を外します。

ブラシの磨耗からすると走行5万キロ前後でしょうか。
単純にブラシの残りからすると私の乗り方からは後40年は持ちそうで私の寿命の方が先かも。
先にベアリングやレギュレーターがダメになるでしょうが。
特に接点は念入りにクリーニングして戻しました。

2014/07/11

オルタネーターを入手 Alternator mounting strategy


交換用のオルタネーターを入手した。(画像右側、左はオリジナルのDucellier)
スペースが限られていて、フィッティングできるか分からないのでとりあえず中古品を。

やっぱりこの辺りは国産でしょうということで軽自動車用のものから選択。
型番はデンソーの31400-76G40、90年代のスズキがVベルトプーリー仕様。
IC式50AでオリジナルのDucellierより出力は2割増しですが、サイズはむしろ若干小型です。
ただIC部分の出っ張りがキャブレターに当たってしまいます。

クランクのプーリーがダブルになっているのでフロント側のプーリーに掛けることで全体を約10mm前に出せばキャブをクリア出来そう。
載ることが分かればこれをエクスチェンジにリビルド品が手に入ること、故障の際には旅先でもDucellierに戻せることを条件にオルタネーター、エンジン側のステー共に無加工で取り付けなければ意味がありません。
搭載できればチリル式レギュレーターの不安から解放され、安定した電圧が得られるはずです。

2014/07/06

シュラウドの加工 Work of the shroud


エアポンプを外したところから冷却風がエンジンルームに漏れてしまうのでファンシュラウドを加工しました。

ポンプを収めるための日本仕様か、この時期のファンシュラウドの上部は前面に見える8mmのボルトを緩めるだけで簡単に外せます。

塗装済みのアルミ板0.5mm厚をポンプが収まっていた場所を覆うように切り出し、ドリルで2箇所穴を開ける。
後にこちら側にオルタネーターを載せ替える可能性もあるので簡便に外せるよう蝶ボルトで固定します。

モウモウと吹きあれていたエンジン"ルーム"への送風は治まり、多少なりともエンジン"シュラウド"内に導風効果は高まったのではないかと期待しています。
500円ほどの工作でした。

2014/07/05

エンジン その4 Engine part4


GSとBXのエンジン搭載位置の比較。
全体的なサイズ、プロポーションは良く似た2台ですが、エンジンの形式がその成り立ちを根本的に変えています。オーバーハングに置かれたGSのエンジンはトラクションが良くかかり、サスペンションの設計に余裕を持たらした反面、どうしても鈍重なステア特製にならざるを得ません。

フロントアクスル上に横置きされたBXはエアコンなど補記類の設置、軽快なハンドリングなど大きなメリットを生み出した反面、横方向スペースの制約からかストラットとなり一部のパーツに大きな負荷を掛けることになりました。

GSのエンジンレイアウトが優れている点は音と振動。
絶対的にはたいした遮音がされていないため静かではありませんが、音源が遠くにあるためこの時代の大衆車と思って乗ると予想以上にうるさくない。またステアリングに伝わってくる振動もトルクステアも無く、高級車然というか縦置きのメリットが感じられます。

パワーや軽快感、空調などGSのネガの多くを潰すことに成功したBXですが相対的にエンジンがキャビンに近く後方排気を採用したため、騒音のほかに電気系統に与える熱害も新たな問題として現れてきました。