シトロエンGS

↑2014年10月11日撮影(凱旋門よりルーブル美術館方面)

シトロエンGS
1970年代にシトロエン社がハイエンドモデルのDSと普及モデルの2CVの間を埋めるべく送り出した傑作のひとつ。
小型ボディにハイドロニューマティックサスペンション+空冷フラット4エンジンをインストールした独特な乗り味のクルマ。
しかし一般には故障の多さから敬遠され、少なくなりつつある不遇なクルマ。

技術者はどんな意図でこのクルマを設計したのか・・・?

エンジン、サスペンション、ボディからねじ一本に至るまで考えられていないものはないはず。
このブログは個人のユーザーである管理人の修理の記録とそれらの過程で見えてきた技術者の意図を考察するブログです。

2014/03/30

エンジン その1 Engine Part1


GSのエンジンはユニーク。
パーツ点数が直4に対し腰上で単純に倍になる水平対向4気筒の宿命として、コストの点から今後いかなるメーカーからも新設計されることはないでしょう。
そういう意味でスバルには頑張って欲しいですね。

ユニークなポイントして2CVのエンジンに端を発しガスケットレスで組まれる点と組立式クランクシャフトがあります。
こちらのエンジンの項目参照。)
空冷エンジンの場合、通常シリンダーバレルは別体となり、クランクケースとヘッドと合わされます。
ところが本来ココにあるべきそれぞれのガスケットが省略されているのです。
それなりの工作精度を求められるでしょうし、私は他にそのようなエンジンは知りません。
(空冷ポルシェも一時期ガスケットレスだった??)

ガスケット不良による吹抜けのトラブル軽減を狙ったものと思われますが、私がエンジンを開けることになれば、相当に気遣いしなければならない部分です。

2014/03/29

ウインドウレギュレーター Window regulator

右リアウインドウの上げ下げに違和感があり修理をしました。
これはガラスがレギュレーターのプレートに"接着"されているのみという造りから散見される窓落ちの状態。
案の定2箇所の接着ポイントのうちの一つが外れていたので再接着しました。
このトラブル自体は多く報告されており、修理自体も難しいものではないのですが、その構造に着目してみます。

カーテンレール状のところに2箇所、ローラーを介してプレートをガラスに貼り付ける構造。
窓落ちの多くは雨水が入る事でこのレールが錆び、ローラーが油切れを起こしてしまうことに起因していると思われます。
ガラスの位置決めはドアのサッシでありガラスランであり、本来はレール上で自由に動かなければなりません。
サビでローラーが自由に動かなくなると、経年で接着力の弱まったプレートはガラスから外れてしまうという具合。

ねじ等で強固に固定しないのはガラスの温度差による膨張を逃がしたり、ガラスの強度確保のため一部分に力が加わることを避けたとそれなりの理由を推測しますが、サビの対策も念入りにして欲しかったところです。
窓落ちの予防としてはレールのグリスアップに尽きる訳ですが内張りを剥がす手間は修理と同じですね。

2014/03/23

ガス蒸気収集タンク Fuel expansion tank


ガソリン臭の原因をさぐるべく燃料のラインを確認しました。燃料タンクかからキャブレターのホースは新しく問題なし。
調べてみるとエキスパンションタンクの劣化とホースの亀裂を発見しました。

これは燃料タンク内で発生した気化ガソリンを冷やすことで液体にし燃料タンクに戻す機構。
戻しきれないガスはキャニスターに通し(T字のジョイントから水平方向のライン)一旦吸着させ、最終的には混合気に混ぜ燃焼させます。

チープな樹脂で成形されたエキスパンションタンクの合わせ部分をエポキシ接着剤で埋め、ホースを交換。かなりの臭気軽減となりました。

エキスパンションタンクは右リアのテールランプユニットを外すとアクセスできます。
キャニスターも私のGSの年代では右フロントフェンダーではなく、同じ場所にあります。キャニスターからエアクリーナーにはルーフ内にホースが通じており目視できないのですが、確実に劣化が進んでいる部分と思われ今後の課題のひとつです。

2014/03/21

吸気管の再塗装 Repainting of the intake manifold

サビで見た目が悪いインマニ。
将来交換すべく予備の吸気管を塗り直した。
画像は左右で塗り直し前後。

まずはサビを可能な限り落とします。さらにEGRのラインを確認すると、ものすごい量のススで詰まってます。
これらをドライバーやらで掻き出し開通。

最後に耐熱の黒ペイントで塗っておきました。
ヒートエクスチェンジャーと一緒に塗りなおせば、かなりエンジンルームの見栄えが改善するでしょう。

2014/03/16

GSの雑誌広告 Advertisement


GSの国内では最も初期の雑誌広告。71年の秋頃。
この頃西武自動車はWANTEDというシリーズでそのクルマの理想のオーナー像を求めるという広告展開をしています。

興味深いことに「求む:お嬢さんに甘いパパ」
つまりディーラーもセカンドカー的な使い方を推奨しており、GSは安全でオシャレなフレンチカーというポジションです。近年の成功例では206のようなイメージでしょうか。
あえてハイドロのメカ二ズムなどについては詳しく触れられていないのがポイントです。

実際に富裕層のセカンドカーとしての使い方がメインでしたが、西武の思惑とはいかず女性のオーナーはわずかだったようです。
オーナーは「自分に甘いパパ」だったようですね(笑)

2014/03/15

二次空気噴射装置 A.I.R


悪名高いA.I.R 二次空気噴射装置。(現在動作していません。)
エキマニ以降にフレッシュエアを送り込むポンプですが、エンジンからベルトで駆動されるため馬力ロスの他にアフターファイヤーの原因となっていました。
アフターファイヤーはそのものは混合気や点火に問題がありますが、キャブやポイント点火が主流の時代では完全燃焼が難しく、そこに空気(酸素)を送り込むことで増長したのでしょう。

排ガス中のCO+HCにO2を送り込み酸化触媒で反応させCO2とH2Oとして取り出すという原理。

もっとも私はこの効果は限定的だと思っていて、一番の目的は排ガスの希釈にあるような気がしてなりません。
排ガス規制を”数値上”クリアするためにEGRで排気量を落とし、A.I.Rで排ガスを薄めるという対処療法が真相です。

根本的な排ガス対策としては三元触媒(これは送り込むべきO2をNOxから取り出すことでCO、HC、NOxを同時に浄化)の登場を待たなければなりません。
これはGSAの時代にようやく取り付けられました。
また触媒の反応条件を良好とするために燃焼管理が重要となり、各種センサーを元にコントロールするフューエルインジェクション、電子点火の総合システムが後の主流となりました。

2014/03/08

ボディーカバー Cover

普段はカバーを掛けています。
Velocityという謎のアジア系輸入ブランド。
3500円ぐらいだったでしょうか。
一応、裏地起毛の4層構造という触れ込みですが、まあ…値段なりです。

しかしこれのSサイズがGSにピッタリでGSオーダーメイドのよう。
逆に今時4.1m x1.6m x1.3mのサイズとは他にどのクルマを想定しているのか疑問になるほど。
前後が無い形もサイドから見て富士山形状のGSに合います。

私は屋内駐車なので問題ないのですが、ネット上でのレビューからは屋外使用条件での耐久性は低いようです。

2014/03/02

解決 バキューム進角 Port or Manifold vacuum spark advancer

テストを目的に予備の吸気系を分解しWEBERキャブレターを取り出した。

画像はバキューム取り出し口とスロットルバタフライ付近(底側より見た図、少しバタフライを開けた状態)

私の疑問は解決しました。
ラインを確認するとディストリビューターへ"ポート"バキュームが繋がれており、道理でアイドリングで負圧が発生していない訳です。

私の手に渡る以前に、どなたかがパーシャルスロットルまでのレスポンス改善を狙い繋ぎ替えたのでしょう。この方式はスロットル開け始めが進角最大、そこから全開まで徐々に遅角していくことで低速時の低トルクを体感的に補っているはずです。
この状態で知らないまましばらく乗っていましたが、問題ないどころか排気量からすると素晴らしいレスポンスと言えます。

一旦オリジナルの"マニホールド"バキュームに戻し、違いを試したいと思っています。

2014/03/01

バキューム進角 Vacuum spark advancer


画像はディストリビューターとバキューム進角作動図

私が理解出来ていないものにバキューム進角装置があります。
作動図からすると"マニホールド"バキュームをデスビに繋いでいるので、この方式だとアイドリング時などスロットルを閉じる程に進角するはず。
特に下り坂エンブレ走行時が最大進角になるでしょうか。
本来は油温45度以下の時のみ作動する設定なのでレスポンス改善よりは低温時のアイドルアップが主目的と考えてよさそうです。

理解出来ない点として、私のGSはソレノイドを介さず直接デスビに繋いでいるのですが、アイドル時にバキューム進角が働いている気配が無いのです。
Ducellierのバキュームカプセルは小穴を塞いでテストしますが、繋いだホースを口で吸ってタイミングライトを当てると正しく進角しておりデスビに問題はないようです。
もしかするとマニホールドバキュームのラインが詰まっているか塞がれてしまっている可能性もあります。

正しく作動していると高速時にスロットルを閉じてもギクシャクせず体感的なレスポンス改善にも役立つと思われます。
油温45度以上では本来カットされるべきシステムなので作動していなくてもさほど問題はないのですが。
NOx対策としてはできるだけ進角を抑えたいのでしょう。

さてバキューム進角が働いてないとするならば、まだまだ遠心進角にはイニシャルBTDC10度より進角方向に余裕があるということになります。
バキュームラインのチェック含めて今後もいろいろテストを行ってみたい点です。
繰り返しになりますが排ガス対策としては遅角させた方が良いそうです。